はじめに


コンテンツマーケティング(Content Marketing)が大事であるとか、今話題のマーケティング手法であるとか、検索してみると様々な企業や組織がコンテンツマーケティングとは『ホニャララ』であると様々な定義づけが成されていますが、一言で適切な回答を言える人はいるのでしょうか。

ただ言えることは、コンテンツマーケティングは間違いなく最小のコストで最大の効果を生むマーケティング戦略の一つであると確かに言えると思います。
それ故、高額なマーケティング費や広告宣伝費が予算計上されていない中小企業や個人事業主の方、もしくは起業家の方にぜひ読んでいただきたい内容になっています。

もちろん大企業の関連部署に所属の方も、広告代理店であるとかWebマーケティング会社からのコンテンツマーケティングを活用したマーケティング戦略に関する提案は増え続ける一方ですが、真髄は何か、何が本当に大事なのか、語られるべき物事がきちんと語られていないと感じる方は少なからずいると思います。
そこで今回は高度情報化社会におけるコンテンツマーケティングという概念について、知っとおいて損はない情報について、分析と考察のうえ解説してみたいと思います。
まずは主題であるコンテンツマーケティングに関連するプレイヤーや事象毎に、歴史と背景の解説を加えながら分析と考察をしていきます。
が、肝心のコンテンツマーケティングとはについては、あえて一番最後に記載していますので、重要な部分は読まないぞという方だけ一番下までスクロールしてください。

 

 

企業目線のコンテンツマーケティング


それでは出発点して、現代経営学の発明者 P・F・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)氏の言葉を借りてスタートしたいと思います。
日本においては2010年頃にドラッカー旋風が巻き起こりましたが、彼の名著「現代の経営」の中で、企業の目的は顧客の創造であり、ひいては市場が必要とするものを生産することと謳っています。
まさしく顧客が何を求め、いつどこで求め、いかなる価格なら進んで支払ってくれるのかを知ることこそ、一番最初に明確にしなければいけない事業活動と説いておられます。

それを踏まえ伝統的なマーケティングに置き換えるならば、消費者のニーズを把握した上で、そのニーズを満たしていく一連の経済活動をマーケティングと呼ぶものとされます。
上記のように、企業や事業主を取り巻くマーケティングの概念は100年以上もの間、ほとんど変わることなく永続的な古典として今も引き継がれています。

しかし、明らかな変化として商品やサービスが以前のようには売れなくなっているという事態が発生しています。
少子高齢化や人口減少といった全体の市場規模の縮小という人口構成の変化という社会構造の大幅な変革をもさることながら、消費者の社会的特性の変化が挙げられると考えられます。
つまりそれは、Webを主流とする情報伝達の根源がインターネットにほぼ集約化され、旧来の企業主体の情報発信と受けてとしての消費者という構造が変化してきたという環境変化が訪れています。

昨今ではインターネット上で自前のブログやソーシャルメディア(以下SNS)による情報発信が容易になり、またネット検索では的確な情報が一瞬で入手することができるようになっています。
またSNSの利用促進に伴い消費者同士の情報交換がより活発化しており、消費者のニーズの高度化、類似商品やサービスの比較が高速化しています。

まさに情報の受け身となりながらも高性能な情報判別フィルターを併せ持ち、なおかつ自ら情報発信もする次世代型消費者のニーズを把握しなければ、ものが売れない時代だと言えますね。
そのため消費者は自分の好きなときに、好きな情報を、好きなだけ入手し、発信・交換まで出来る時代になったのであれば(かつドラッカー氏の提言を守るのであれば)、企業は消費者がいつでも手軽に必要な情報が入手できるような場として然るべきコンテンツを用意しておく必要があるという訳であります。
上記につき、時代背景としての自然要望として、コンテンツマーケティングが必要とされているものと分析することが出来ます。

 

消費者目線からのコンテンツマーケティング


では次に消費者目線に立って、コンテンツマーケティングについて考察していきます。
自分を含め我々消費者はいつの時代も商品やサービス、そして宣伝文句のセットで情報提供を受けてきました。
ネット検索において高度なアルゴリズムの元、関連商品やサービスに関する広告宣伝がオススメとしてブラウザ上に配置されます。
買い手としての検索時にはこれほど便利なものはありませんが、情報収集を目的としたネット検索においては、まさしく邪魔ものであるとしか言えない状況です。
皆さんも恐らく同じ感情をお持ちかと思いますが、広告主からの一方的な「商品やサービスを買え」というアプローチに疎ましく思うことかと思います。

それでは一旦ここで、消費者のネット検索時に及ぶメリットとデメリットを整理してみると以下のようになるかと思います。

・広告主からの一方的な宣伝は鬱陶しい。

・自分が必要な情報を取りに行く時は、例えそれが宣伝に類するものであっても、企業やプロの信じられる適切な情報であれば有り難く思う。

ではここで企業側も消費者側も共にメリットを享受するためには、どうすればいいか。
勘のいい方ならもうお気づきですね。
「消費者が必要な情報を取りに行く時は一方的な広告宣伝は避け、適切な情報を然るべき時に見てもらえるよう良質なコンテンツを準備し、消費者の満足度を上げる」という思考に自然と結びつくかと思います。
このように消費者にストレスを与えることなく、自然と接点をもつためのコンテンツを充実させることが、コンテンツマーケティングの真髄と言えます。

 

コンテンツマーケティングによる効果


上記でも触れましたが、我々は今や検索して情報取集(商品やサービスについて調査)のうえ購入するのが一般的です。それがどのように効果として現れるのかを見ていきましょう。

1.営業活動の前衛として機能させることが出来る

今までの営業活動では、営業マンの送り込みによる消費者の反応確認が一般的でした。
しかし、消費者は事前に情報収集しているため、いきなり営業マンが押しかけてしまうと(例え善意でも)、売りつけられてしまうのではないかといったバイアスを引き寄せてしまうことがしばしばありました。
様々なコンテンツを比較した上で、専門知識を持った営業マンから話を聞くスタイルに購買パターンが変化していることもあり、コンテンツマーケティングであれば、それを踏まえたコンテンツ準備が他社との差別化に直結する要素として活用できます。

ひいては、デジタルコンテンツに”情報提供の場”を移行することで、人的資源不足の昨今において、営業マンの雇用や経費を抑えることに繋げることが可能になります。

2.コンテンツマーケティングは低コストでスタート出来る

こちらは視点を変えて、マーケティングにおける広告宣伝費と対比して考えてみます。
当然のことですが、広告宣伝策をとる場合、その規模や戦略に応じて少なからず費用が発生します。
しかしコンテンツマーケティングであれば、自社のノウハウであったり、今まで顧客が感じていたニーズを満たすコンテンツであれば、自らの時間と気合の中で済ますことができますので、最低限人件費程度の出費で対応することができます。
ただし、広告宣伝と同様に効果が必ず保証される性質のものではないため、前提条件としての理解は必要です。

3.コンテンツ自体が保有資産になる
広告宣伝費と同様にマーケティング費も出費として捉えられますが、デジタルコンテンツであれば作れば作った分だけ、オウンドメディア(自社で運営するメディア)として保有出来るデジタルな資産となります。
また、消費者にとって適切な情報提供がされるコンテンツであれば、SNSで拡散が見込まれたり、Googleなどで上位に結果表示されるなどし、雪だるま式に消費者を集客するエリート営業マンに変身します。
目指すべき事例としては、既存の人的資源ではカバーし難い国や地域にも営業活動が展開できたり、自社のターゲットに成り得る消費者との関係を強化できるフォーマットとすることも可能です。
もちろん自社ブランドの強化という点からも、特定の専門分野ならではの知識やノウハウをコンテンツとして提供することで、信頼性の向上やブランド強化施策としても戦略的に活用できます。

<備考>Googleの評価ガイドライン

Googleの品質に関するガイドラインにおいて、同社はユーザーの満足度を重視する評価基軸を採用しています。
ユーザーの利便性を最優先した適切なコンテンツは、検索結果においても上位に表示される仕様になっていることもありますので、良質なコンテンツ作成を目指す必要があります。
まさに消費者に価値ある情報を提供できるコンテンツこそが、何より競争力のある企業として評価されると考えていいかと思います。
参考:ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja

4.クラウドソーシングや外注は要検討

良質なコンテンツ作成には上述の通り多くのメリットもありますが、どうしても時間や手間が掛かります。
かと言って、手を抜けば質の悪いコンテンツとして、消費者にもGoogleにも簡単に見破られてしまいます。
昨今ではクラウドソーシングの台頭に伴い、安価な金額でコンテンツ制作を外注することもできますが、先般のキュレーションサイトの炎上問題もあり、安易な考えでの外注は要検討を促しています。
(zeptoworksでは多くの納品実績を持つプロのライターが在籍していますので、ご検討の際はご連絡いただければ幸いです)

 

コンテンツマーケティングとは


ここまで書いてしまえば、自ずとコンテンツマーケティングを定義づけできる方が多くいらっしゃるかと思いますが、私はコンテンツマーケティングを以下の通り定義したいと思います。

コンテンツマーケティングとは、
現在・過去・未来の消費者へ適切で有益となる、自らの専門分野や知識を活かした独自の価値ある情報(コンテンツ)を発信し、相互にいい関係を作りながらも消費行動を起こしてもらうこと、と言えます。

以上のようにあえて多くのことを語らせてもらい、最後に本題を持ってきました。
コンテンツマーケティングについて、様々なWebサイトで情報が発信されていますが、要は企業側と消費者側で情報に対する欲求が違う中で、方法論的に解説するのでは本質を踏み誤ることを避けてもらえればいいな、という趣旨です。(一消費者として)

新しいようで古く、実は泥臭いコンテンツマーケティングには多くのメリットと効果が期待できます。
先述の通り良質なコンテンツ作りは手間と時間が掛かりますので、根気よく焦らないことをお薦めします。
(お手伝いは喜んで対応しますので、ご興味のある方はご一報ください)